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2024年2月の5件の記事

2024年2月29日 (木)

いっかくじゅう座のコーン星雲

 Blog_20240229133501 雨がよく降った2月です。薩摩半島は、冬の2月は雨がとても少ないのですが、今年は平年の2倍程の雨だったようです。菜種梅雨と思われる、しとしととした、何日も続く雨です。今日も朝から雨だったようで、なかなか止みません。鹿児島県は3月が田植えの季節なので、ちょうど恵みの雨になったのかも知れません。

 写真は、いっかくじゅう座のコーン星雲です。NGC2264の散光星雲です。小鳥が口を開けている感じにも見えます。開けた口が、ちょうど工事現場の円錐状のコーンに似ているところから、つけられた呼び名だそうです。散光星雲の手前の暗黒星雲が、上手いことコーンのような形に見えています。

 もう一つ、画像下あたりに異様な形の輝きが見えています。ハッブルの変光星雲と呼ばれている、とても珍しい星雲です。いっかくじゅう座の星の光を受けて輝いている反射星雲だそうです。実際に明るさが変わる様子も観察できるそうです。いろいろな輝きがあって、宇宙はとても面白く、変化にとんだ世界です。

 いっかくじゅう座と言えば、有名なバラ星雲もあります。コーン星雲のすぐ南側です。同じ日の夜に、バラ星雲も撮影したのですが、まだ画像処理をしていません。いっかくじゅう座は、冬の天の川の中にあって、星間ガスがとても多い領域です。散光星雲や暗黒星雲があちこちにあって、被写体には苦労しません。

 冬の季節は寒いのですが、乾燥していて、星の観察にはとても良い時期です。でも、今年はどうも違うようです。暖冬傾向で雨の日が多く、晴れた夜は、とてもとても少ない感じです。もう少しだけでも、晴れた星空を眺めてみたいものです。

 雨が降り続いています。夜になっても止みそうにありません。という訳で、コーヒータイムで~す。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・ISO3200・100秒・2024年1月13日21時30分

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2024年2月22日 (木)

月面 コペルニクスからアリスタルコス

Blogjpg  写真は、コペルニクスからアリスタルコスまでの海が広がる地形です。2022年の撮影ですが、画像を整理していて、原画を偶然に見つけたものです。処理できずに、どういう訳か残っていたものです。よくあることですが、あちこちに撮影画像が散らばっていて、そのままになっていたようです。最近、やっと処理して、何とか、Blog用に仕上げました。

 雨の海から南西側の嵐の大洋付近、コペルニクスクレーターや、ケプラー、アリスタルコス、そして虹の入江などがバランスよく並んでいます。海の部分が広いので、月面にしては、とてもすっきりした眺めです。この周辺は、大量の溶岩の流れがつくった地形のようです。大口径の望遠鏡なら、溶岩流の流れた痕跡も分かるそうですが……。まあ、口径8インチなら、こんな感じです。

 それにしてもコペルニクスクレーターの大きいこと。月面では、最も目立つクレーターのひとつです。直径が95kmほどあるので、巨大も巨大です。コペルニクスの西側には、直径32kmのケプラーがあります。小さいのですが、海の中なので結構目立ちます。そして、ケプラーの少し北側には、直径40kmのアリスタルコスクレーターがあります。アリスタルコスという名前は、古代ギリシャの天文学者で数学者のアリスタルコスからとった名前です。

 このアリスタルコスクレーターは、月面で最も明るいクレーターとして有名です。地球照画像でも、月食中の画像でもすこし明るく見えるので、昔から不思議なクレーターとして有名だったようです。この写真でも分かりますが、反射率がとても高く、異常に明るい感じです。それは、クレーター内部の岩石が特殊な物質でできているからだそうです。月面での異常発光現象も、このクレーター付近で度々起こっているのが確認されています。これまた、とても不思議ですね。

 月面を、またいろいろ撮影してみます。ピント合わせが少しだけ大変ですが、小さな望遠鏡でも撮影できるので、とても有難い被写体です。という訳で、曇り空の今夜は、DHCビールで乾杯しま~す。

データ/ビクセンSX2・C8シュミカセ・ASI183MC・ゲイン220・10ms・2023年3月4日20時40分頃

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2024年2月15日 (木)

オリオン座

 Blog_20240215130701写真は、オリオン座の中心部です。星座写真は、特別な心の準備が必要ないので、撮影するときも、眺めて鑑賞するときも、とても楽です。星座は肉眼で見えるというのも、とても楽しいことで、眺めているときはホッとする時間です。

 オリオン座は、トレミーの48星座のひとつで、古代からとても有名です。写真は、狩人オリオンの頭から下の部分ですが、本当は、高く伸ばした両手もあります。ただ、両手のあたりの星は結構暗いので、形を想像することがなかなか出来ません。

 一等星が二つ、二等星が五つもあって、とても賑やかな星座です。おまけに、狩人オリオンの腰のあたりの三ツ星の南に、小三つ星と呼ばれている三つの明かりも見えています。ペテルギウスの赤っぽい明るい光とリゲルの青白い光が、とても対照的で、なかなかの見ごたえです。日本では、ペテルギウスを平家星、リゲルを源氏星と呼んでいたようで、歴史の重みを感じます。

 2月中旬の夜の8時ごろ、オリオン座は子午線を越えて、西の空に移動します。冬のダイヤモンドをつくる大きな六角形が、天頂付近から南の空を飾り、最高の眺めになります。一等星が7個も見えるというのも、とても珍しい光景です。冬の夜は寒いのですが、冬の天の川や冬の明るい星々に誘われて、ついつい外に出てしまいます。

 このところ、曇りや雨の日が多いのですが、春が少しづつ近づいてきているような気もします。気温が平年よりも高めで、予想通り暖冬なのかもしれません。

 今夜は曇り空のようで、星空は無理のようです。という訳で、コーヒーブレイクで~す。

データ/ケンコースカイメモS・E-M1MarkⅢ・12~40ミリF2.8・ソフトフィルター使用・ISO1600・f4・40秒・2024年1月16日21時10分

 

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2024年2月 8日 (木)

オリオン座の馬頭星雲

Blog_20240208133601  先週UPした、オリオン座のオリオン星雲から馬頭星雲の、馬頭星雲付近の拡大写真です。望遠400ミリですが、センサーサイズがAPS-Cタイプなので、1.6倍して640ミリ程度かな、と思います。これぐらいの望遠でも、馬の頭の感じが少しは出ているはずです。赤く輝く星間ガスをバックに、燃える木を見つめる馬の頭のイメージです。見応えのある、なかなかの眺めです。

 この馬頭星雲は、1888年アメリカの天文台で、初めて撮影されたそうです。馬頭星雲自体は暗黒星雲と呼ばれています。非常に多くの塵が密集していて、新しい星々が生まれている領域です。地球からとても近い所なので、70ミリの小口径の望遠鏡でも、結構はっきりと写すことが出来ます。初心者にとっては、設定・導入も簡単で、とても有難い貴重な星雲です。

 オリオン座周辺には、散光星雲や暗黒星雲がたくさんあるので、いろいろな場所で探してみます。冬は大気が乾燥しているので、透明度も良く、撮影にはとても適した季節です。

 今日は少しは晴れているのですが、薩摩半島は水蒸気が多く、今夜の夜空は、星見には向かない感じがします。このところ、半月ほど、星空を見ていません。当分は、すっきりしない天気が続きそうです。春の訪れも例年より早くなるそうですが、本当かどうかは分かりません。

 ところで、今日昼前の吹上浜海浜公園で、ウグイスの初鳴きを聞きました。1週間程早かった感じです。まだ下手な鳴き方ですが、少しづつ春が近づいているのかも、です。ということは、タヌキもキツネ、ウサギも姿を見せ始める時期です。公園の観察ポイントに張り込んで、野生の姿を観察してみます。

 今夜は曇り空を予想して、夜の時間帯はデジタル絵画の時間にします。という訳で、小休止で~す。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・IOS3200・1分40秒・20コマ合成・2024年1月4日20時20分

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2024年2月 1日 (木)

オリオン星雲から馬頭星雲

Blog_20240201131901  1月後半の夜8時頃には、オリオン座が空高く昇り、眺めるのに最適な時期になりました。冬の大三角も何故か大きく見えます。晴れた夜には、オリオン座の三ツ星もくっきりと見えます。写真は、オリオン星雲から馬頭星雲までの、やや広い領域の星空です。赤い星雲は、なかなかの眺めで、冬には一番の被写体です。

 写真の左方向が、天の北極方向です。メシエ天体M42のオリオン星雲は、特別に目立ちます。肉眼でもはっきり見えるので、500ミリ程度までの望遠レンズなら、とても簡単に導入できます。冬の星空は明るい星が多いので、ピント合わせに利用する星はたくさんあって、苦労しません。オリオン星雲は、左隅のやや暗い馬頭星雲に露出を合わせているので、少しだけ露出オーバーになっています。

 馬頭星雲と燃える木星雲周辺も、けっこう賑やかです。オリオン座の三ツ星の東側の2つ、ε(イプシロン)星とζ(ゼータ)星も見えています。馬頭星雲は、赤く輝いている散光星雲を背景にして、暗いシルエットになった暗黒星雲です。この写真では、黒い形が馬の頭には到底見えませんが、もっともっと拡大すると、馬の頭らしく見えてきます。

 オリオン星雲も馬頭星雲も、地球からの距離が1300光年から1500光年程で、広大な領域に星間ガスが広がっているところです。オリオン座の周辺には、他にも赤い散光星雲があちこちに確認できます。新しい星々が生まれている、そんな場所なのでしょうか……。冬の夜は少々寒いのですが、いちばん星空を楽しめる、そんな感じです。

 薩摩半島は、昨日から3月の陽気です。前線が停滞していて、雨模様です。これから1週間ほど続くみたいです。少し早いのですが、これも菜種梅雨って呼ぶんでしょうか……よく分かりません。

 という訳で、ホットコーヒーで小休止で~す。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・ISO3200・50秒・36コマ合成・2024年1月16日19時50分

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