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2024年8月の4件の記事

2024年8月22日 (木)

いて座の散光星雲M17

M17-blog 写真は、いて座にある散光星雲M17です。輝いている部分が、ギリシャ文字のΩ(オメガ)に似ているので、オメガ星雲と呼ばれています。でも、個人的には、そんな感じには見えません。望遠鏡では、上下さかさまなので、白鳥の姿に見えるそうですが、そんなイメージでもありません。個人の想像イメージの問題なので、なかなか難しいですね。

 いて座には、散光星雲や球状星団がたくさんあって、なかなか賑やかなところです。おまけに天の川の真っ只中なので、星々の多いこと多いこと。双眼鏡で眺めると、あちこちに星雲星団の輝きが見えます。この散光星雲M17は、大型の散光星雲M8の北北東7、8度のところにあります。満月よりも二回りほど大きな星雲なので、7倍の双眼鏡でも、ぼんやりとした雲のように見えます。

 今年は、水蒸気が多くて、星の観察も苦労しています。このM17の撮影は、二日がかりでした。雲が多く、なかなかコマ数が撮れなくて、大変でした。この7月、8月はずーっとこんな感じの空の様子です。晴れた夜空でも、何となく霞んでいて、イマイチの状態です。やはり天候異変なんですね。

 今年、九州に近づいてきた台風は、今のところひとつもありません。こんな年もとても珍しいのでは、と思います。梅雨時の水害や、台風による人的被害も九州ではあまり聞きません。ただ、東北地方の方が、水害が多かったように思います。地球規模で、何かが変わりつつあるような、そんな感じで、不気味ですね。

 という訳で、冷たい麦茶で小休止しま~す。

追伸 今年は猛暑日が多くて異常な暑さです。蚊もハエもいなくなりました。セミの鳴き声も少なく、秋の虫たちの鳴き声も聞きません。カラスの姿もなく、イソヒヨドリも姿を見せません。アナグマの家族も見ていません。夏の間、避暑地に行ったのかな……。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・EOS60D(改造)・マルチフラットナー・ISO3200・50秒・15コマ合成・2024年8月2日20時40分

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2024年8月15日 (木)

アルタイルといるか座・や座周辺

Blog_20240815135001  お盆の頃、夜10時ごろに、夏の大三角が天頂付近に昇ってきます。天の川も華やかに輝くのが毎年の事なのですが、今年は、空がどんよりとしていて、星空が霞んでいます。猛暑の影響もあるのでしょうが、今年はちょっと様子が違います。毎日毎日、朝から霞んだ空で、夏の青空はほとんど見ていません。ただ蒸し暑く、高温のジメジメの夏ですね。

 写真は、アルタイルといるか座とや座の周辺です。はくちょう座の少し南側で、天の川が流れています。前回アップした、こぎつね座のコートハンガーも右上隅に見えています。6等級以下の暗い星の集団です。こんな暗い星の並びを、1000年以上も前に双眼鏡も使わずに、よく見つけたものです。観察者の視力がとても良かったのか、星空がとてもくっきりしていたのか……まあ、夜空を照らす人口の明かりが全くない時代だったのですよね。

 コートハンガーの隣に、トレミーの48星座のひとつですが、や座も見えています。このや座も暗い4等星の集まりですが、古代の人にはくっきりと見えたのでしょう……多分。写真左隅にいるか座も見えます。狭い所に並んでいる4個の星は、晴れていれば肉眼でぼんやりと見ることが出来ます。

 や座の南隣りには、わし座があります。結構大きな星座です。α星アルタイルは、夏の大三角をつくる星のひとつで、この周辺では、とても明るく目立つ星です。アルタイルを中心にして3つの星が並んでいます。わし座の三ツ星なんて呼ぶこともあるそうです。この三ツ星がくっきり見えるときは、空の状態が良い時です……個人的な経験ですが……。

 今年の夏は、星空がイマイチです。水蒸気がとても多いような気がします。薩摩半島の今は、昼下がりですが、夕立雲が空にあって、雨が降っています。昨日もこんな夕立でした。という訳で、小休止で~す。

データ/ケンコースカイメモS・EM-1MarkⅢ・12~40ミリF2.8・36ミリ・ISO1600・f4・30秒・ソフトフィルター使用・2024年7月27日21時20分

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2024年8月 8日 (木)

こぎつね座のコートハンガーCr399

Cr399blog  写真は、こぎつね座のコートハンガーと呼ばれている星の群れです。星座と違って、公式に認められた星の集団ではなく、偶然にあるものに見える星の集団です。そういう星の集まりをアステリズムと呼ぶそうです。

 このコートハンガーには、Cr399というカタログナンバーが付けられています。Crというのは、コリンダーカタログと呼ばれています。このカタログには、500個近い散開星団が登録されています。その中に、アステリズムと呼ばれる星の集団もあります。アステリズムの代表例が、北斗七星です。星の観察を面白くしてくれるものかもです。遊び心があって、星空を楽しめます。

 こぎつね座というのは、はくちょう座の南隣りにありますが、暗い星ばかりで、星座の形はほとんど見えてきません。そのこぎつね座の南の端に、このコートハンガーに似た星の集団があります。6等級以下の星がほとんどなので、肉眼で探すのはどう考えても不可能です。6個の星が一直線に並び、上下に逆立ちしていますが、ひっかけ金具(星が4個)も付いています。まさしく、コートハンガーそっくりです。ほとんど青白い星のようですが、散開星団をつくっているという訳ではなさそうです。

 最初にこの星の集団を記録した人は、10世紀のペルシャの天文学者だったそうです。天体望遠鏡も双眼鏡もない時代に、肉眼で暗い星の並びを見つけたんですよね……なかなか偉い人ですね。観察力のすごさに驚かされます。6等級の暗さの星が見えること自体、とても不思議です。

 ところで、この一週間程、空がぼんやりと霞んでいて、星を見ることが出来ません。おまけに猛暑なので、夜でも熱中症の危険性があります。最低気温が27度、28度なんていうのも、とても不快な感じがします。猛暑がいつまで続くのか分かりませんが、少しだけでも涼しくなって欲しいものです。

 という訳で、冷たい麦茶で一休みします、で~す。

データ/ケンコースカイメモS・180ミリ3.5マクロ・EOSKissX8i・ISO1600・f5・40秒・ソフトフィルター使用・2024年8月1日21時20分

 

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2024年8月 1日 (木)

ヘルクレス座のM13

M13blog_20240801132101  今年の猛暑は、異常です。毎日毎日35度を超えているようで、直射日光が特別に強烈で、どう考えても、身体によくありません。朝から30度を超えていて、夜の11時頃でも外気温は31度あります。おまけに最低気温が28度ほどなので、どうしようもありません。この暑さは、まだまだ続くんでしょうねえ。

 昨日も、その前の日も、夕方は晴だったので、のんびり機材を玄関先に出して、撮影の準備をしました。北西の空は、雲もなく快晴でした。夜8時頃、極軸合わせをして、暗くなるのを待っていたのですが、どういう訳か、南東の空は雲だらけでした。え…え…何で、何で……という感じで、どうしてこんな感じなのか……。北西の風が吹いていたのですが。結局、この二日間は、雲だらけで何も撮影できませんでした。

 昨日の夜、20分ほど空を観察して、やっと分かりました。北西の風が吹く中、北西の空が晴れていて、南東の空が雲だらけになる理由です。東シナ海から吹いてきた生暖かい空気が、薩摩半島に上陸した時に、雲に変わることが分かりました。ちょうど我が家の上空あたりで、どんどん雲に変わっていくのが観察できました。南東の空のいて座周辺部は、雲に隠れて全く見えませんでした。その日は、いて座の散光星雲を撮影する予定でしたが、何もできませんでした。暖湿気流が、上空で分厚い雲になるのを観察したのは、初めてでした。空の半分が晴れて、半分が雲だらけでした。こういうこともあるんですね。不思議です。

 ところで、写真はヘルクレス座の球状星団M13です。球状星団の中では、トップクラスの美しさです。背景の空の暗さも手伝って、なかなかの眺めです。満月よりは少し小さいのですが、結構な大きさです。球状星団の年齢はとても古く、宇宙の年齢に近いものが多いそうです。50万個もの星がこんな感じで集まっているのがとても不思議です。中心部は一体どうなっているのかな、というのが、いちばんの不思議ですが……。写真の左上隅に、系外銀河NGC6207という銀河も見えています。

 という訳で、今夜は晴れそうなんですが、また雲が出来るのかも……です。そんな訳で、小休止しま~す。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・KissX8i・笠井マルチフラットナー使用・ISO3200・40秒・2024年7月5日21時20分

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