月面 アリストテレスからアルキメデス
月の高度が高くなって、月面観察や撮影に最適な季節になりました。5月頃まで、月は空高く昇るので、見ごたえある眺めです。冬はそれなりに寒いのですが、仕方ありません。写真は、月面の晴れの海から雨の海へ続く、いちばん変化にとんだ地域で、月面の中でも最も人気があるところです。暗い海からそそり立つ山脈やとても目立つクレーターや丘陵がたくさんあります。
月齢は、8.0前後かなと思います。大気の状態がとても良い状態だったので、珍しくクリヤーな画像では、と思います。晴れの海と雨の海の境界当たりにあるのが、コーカサス山脈です。長さ500kmほどです。その北側(左方向)には、アリストテレス・クレーターとエウドクソス・クレーターがあります。結構立派なクレーターですが、この周辺は、起伏の激しい所のように見えます。月面探査機が着陸するにはとても難しい所かな、と素人でも分かります。
アリストテレスとエウドクソスの西側(下方向)は、アルプス山脈までさらに荒涼たる地形が続いています。その中に、アルプス谷が見えています。アルプス谷は、長さ180km、幅10km程の巨大な谷です。さらにこのアルプス谷の中に、幅1kmのもう一本の谷があるそうです。8インチの口径では、解像度が不足していて、確認できません。
雨の海と呼ばれている暗い溶岩台地の中には、カッシ二、アリスティルス、オートリクス、そしてアルキメデスなどの見ごたえあるクレーターが並んでいます。アイピースを使って、100倍前後の中倍率で眺めると、とても新鮮な眺めです。双眼装置を使うと、月面が立体的に見えて、まるで宇宙船から眺めているような(個人的な感想ですが……)気分になります。月面は眼視が最高という人もたくさんいます。生の光を見るということなので、とてもよく分かります。天体の地表がよく見えるというのは月だけなので……月があってよかった……というのが一番の感想です。
今日も外はすごい風です。晴れたり、雨が降ったりと大変な日々です。という訳で〈お~い お茶〉で一休みで~す。
データ/ビクセンSX2・C8シュミカセ・ASI183MC・15ms・ゲイン150・180コマ合成・2024年1月19日20時10分