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2025年1月の5件の記事

2025年1月31日 (金)

オリオン座全景

Blog_20250131132601  オリオン座は、トレミーの48星座のひとつで、冬の星空の中でも一番目立つ星座です。一等星二つと二等星二つで、四辺形を作っています。その中に、三つの二等星が近距離で並んでいて、とても特徴ある形の星座です。一等星が二つ、二等星が五つもあるというのも、なかなか贅沢な星座です。そんな星座は、他にはありません。紀元前1500年以上前から、メソポタミア地方では天の狩人座として有名だったそうです。

 オリオン座のオリオンは、ギリシャ神話では、海の神ポセイドンの息子で、勇気があって、腕のよい猟師オリオンの姿だとされています。右手にこん棒、左手に獅子の毛皮を持っていて、腰の三ツ星あたりのベルトに小刀をさしている、そんな姿だそうです。

 このオリオン座の周辺には、明るい一等星がたくさんあります。南東側には、全天でいちばん明るいおおいぬ座のシリウスがあります。そして、その北側から北西方向には、こいぬ座のプロキオン、ふたご座のポルックス、ぎょしゃ座のカペラ、おうし座のアルデバラン、オリオン座のリゲルが輝き、冬のダイヤモンドと呼ばれる大きな六角形を作っています。2月中旬の夜9時ごろには、天頂付近の南側に広がって、雄大な光景になり、素晴らしい眺めです。さらに、この六角形の中を、冬の天の川が流れています。人工の灯りがほとんどなかった時代には、天の星明りがどんなに明るかったことか……。

 オリオン座とその周辺には、前回UPしたオリオン星雲M42を含めてたくさんの星雲・星団があります。隣のいっかくじゅう座には、大輪のバラの花に似たバラ星雲があります。散光星雲や散開星団がとても多く、なかなか見ごたえある星空です。寒い季節ですが、プラネタリウムや天文台が一番賑やかになる季節かも、です。

 乾燥した冬の夜空は、星々がくっきりです。晴れた夜には、天の川も見えている感じがします。という訳で、ここでコーヒーブレイクで~す。

データ/ケンコースカイメモS・EM-1 MarkⅢ・12~40ミリF2.8・ISO1600・f4.3・30秒 ・ソフトフィルター使用・2024年12月24日21時20分

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2025年1月23日 (木)

オリオン座のM42オリオン星雲

Blog_20250123130301  写真は、オリオン座の散光星雲オリオン星雲です。オリオン座にある三ツ星の南に、もう一つの小さな三つの光が見えます。この光は小三ツ星と呼ばれていますが、その中央が、このオリオン星雲の光です。肉眼でもとてもよく見えるので、昔からよく知られています。肉眼でも見える星雲・星団はとても少ないのですが、いて座のM8の干潟星雲やアンドロメダ銀河などと並んで明るい星雲です。

 冬の今頃が、オリオン座は南の空やや高く昇り、観察には最適な時期です。その周辺には、たくさんの一等星が輝いていて、なかなか見事な眺めです。おうし座のスバルやアルデバランの輝きも見事です。赤いペテルギウスや白い輝きのリゲル、そして、全天で一番明るい、マイナス1.5等級のおおいぬ座のシリウスも印象的です。快晴の星空ならば、冬の天の川も見えるかも、です。

 オリオン星雲は、地球からの距離が1300光年程の巨大なガス雲です。中央の異常に明るい領域にある、1万年から2万年ほどしか経っていない若い星々の紫外線が、ガス雲を背後から照らしている様子です。巨大なガス雲の中でも、星が次々に生まれています。とても明るいので、カメラ用望遠レンズでも何とか撮影ができそうです。ただし、赤い光は、普通のセンサーでは画像化しにくいので、デジカメを改造する必要があります。

 寒いですが、冬の星空はとても魅力的で、見飽きない眺めです。今年も雲が多くて、すっきりした星空は、なかなか見ることができません。今夜も雲が多くて、どう考えても、星は見えない感じです。まあ、のんびり晴れた星空を待つことにします。という訳で、ホットコーヒーで、一休みで~す。

データ/ビクセンSX2・ED70SS・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・ISO1600・90秒・2024年12月24日21時20分

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2025年1月16日 (木)

我が家の裏庭から 西北西の空

Blog_20250116131001  我が家の裏庭から眺めた、西北西の空です。この二カ月程で、眺めが一変しました。隣の家の周りに樹木が生い茂っていたのですが、その樹木がすべてなくなり、裏庭から、海沿いにある低い山が丸見えになりました。星空も賑やかになり、驚くほど開放的になりました。それだけではなく、正月過ぎに新しい家族が引っ越してきて、窓の明かりが裏庭に少しだけ差し込んできています。漆黒の闇だった裏庭が、ほのぼのとした雰囲気になって、暖かくなった感じです。

 ちょうど9年前の正月でした。2016年の1月3日のブログのUP記事です。〈隣の家が昨年の11月末から無人になりました。老夫婦が住んでいたのですが、理由はよくわかりません。今日の時点では無人です。何が問題かというと、我が家の裏庭で観望するとき、15メートル離れた隣の家からもれる僅かな灯りに助けられていました。それが、今は、足元さえ見えない暗黒の闇になってしまったからです……〉

 写真左下の家が、中古住宅を買い取り、リフォームし、再販した物件です。事業者は、その分野の超最大手の会社だそうです。薩摩半島の片田舎でも、営業しているんですね。幸い、すぐに買い手が見つかったようです。同じ市内からの移住だそうです。夜、我が家の周りが少しは明るくなり、懐中電灯なしに何とか歩けるようになって、助かります。

 裏庭から見た西北西の星空ですが、空が暗いので、星明りがくっきりです。昨年の12月の撮影なので、隣の家には、まだ明かりは灯っていません。山の稜線の向こうが東シナ海です。夏の大三角が、ゆっくり沈みかけています。天の川の明かりも、ぼんやりと見えているかも、です。西南西の低い空には、金星や土星も良く見えているのでしょう……多分。

 今日は、寒い一日です。時々霧雨が降っています。という訳で、カフェラテで小休止します、で~す。

データ/EOSKissX8i・トキナー11~20ミリF2.8・ISO1600・f5.6・60秒・55コマ比較明合成・2024年12月19日20時30分

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2025年1月 9日 (木)

木星とガリレオ衛星

Blog_20250109131801  今年の正月元旦は晴れて、星空がきれいに見えました。予定通り、木星の撮影に挑戦しました。風はあまり吹いてはいなかったのですが、さすがに真冬の寒さで、手先が自由に動きませんでした。8インチのシュミカセに、デジカメを取り付けただけです。後半に、CMOSカメラで、木星本体を動画撮影する予定でした。

 写真は、木星とガリレオ衛星です。露出を衛星に合わせたので、木星本体は露出オーバーになっています。近い順に、イオ、エウロパ、ガニメデ、カリストです。

 木星から一番近い衛星が、イオです。木星のすぐ近くに見えますが、この写真では、30万キロ程度離れているのでは、と思います。軌道半径が約42万キほどなので、もう少し外側に移動していくのでしょう。イオの大きさは、月と同じほどです。火山活動が盛んで、不思議さで注目されている衛星です。イオは、42時間で木星を一周します。その周回速度は、時速6万キロ程になります。これは異常な早さです。撮影中にも、20分、30分すると位置が変わるのがよく分かります。

 イオの北側に見えているのが、今いちばん注目されているエウロパです。エウロパは、表面が厚い氷におおわれていて、その下には液体の水があるのでは、という観測データがあるようです。さらに、エウロパの地表から、間欠泉のような水柱が観測されています。アメリカの探査機が、つい最近エウロパを目指して打ち上げられました。遠いので、観測が始まるまで10年程かかるそうです。エウロパの隣のガニメデにも、水が存在するのでは、という可能性がとても高いそうです。1610年、ガリレオが発見した木星の4個の衛星ですが、やっと本格的に探査が始まったようです。地球外の生命体が発見されるかも知れません……期待しています。

 今日は、薩摩半島も真冬の寒さで、寒風が吹いています。時々雨が降っていて、雲の隙間から時々太陽が見えています。もう2、3日は続くようです。という訳で、ホットコーヒーで一休みします、で~す。

データ/ビクセンSX2・8インチシュミカセ・EOSKissX8i・ISO1600・数コマ合成・2025年1月1日20時10分頃

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2025年1月 2日 (木)

おうし座のスバル

Blog_20250102125801  2025年の正月を迎えました。今年は、災害の少ない、平和な年になって欲しいものです。写真は、おうし座のスバルです。正月の今頃は天頂付近に昇り、とても目立つ輝きで、なかなかの眺めです。

 スバルというのは日本語で、昴と書くのですが、スバルという方が分かりやすいのでカタカナを使っています……僕は。清少納言の書いた『枕草子』の中で星についての記述があります。「星は、すばる。ひこぼし。ゆふづつ。よばひ星、すこしをかし。……」おうし座のスバルは、12月の中旬には、東の空高く昇ってきています。ひこぼしは、わし座のアルタイルですが、西空に沈みかけています。ゆふづつは、宵の明星の金星のことで、毎年見えるような気がします。よばい星は、流れ星のことで、日常的な流れ星なのか、12月に極大を迎えるふたご座流星群の流れ星なのかは分かりません。この四つの輝きを、12月中旬の頃に同時に眺めることが出来たのでしょう……多分。

 寒い京都の冬の夜に、東山から、西の嵐山までの空を、清少納言は眺めたのかも知れません。平安時代に記述されたことを思えば、とても珍しいことのように思いますが……。文字の文化の中で、星空や天体に関する記述は、極端に少ない日本にとっては、とても貴重なものかも、です。

 スバルは、正式にはプレアデス星団という散開星団M45で、メシエ天体のひとつです。本当は150個以上の若い星の集団です。満月の4倍近い大きさで、肉眼でもブルーの雲のように見えます。4個見えるとか、5個見えるなんていう話を聞きますが、普通の視力ならば、数えるのも難しい気がします。いちばんいいのは、双眼鏡で眺めることでしょうか……。視野いっぱいに広がる淡いブルーの輝きは、とても見事で、感動的です。今頃は天頂付近なので、眺めるのも大変ですが……また一度眺めてみます。

 という訳で、冬の青空を眺めながら、ホットコーヒーで一休みで~す。

データ/ビクセンAP・ED70SS・EOSKissX8i・等倍マルチフラットナー・ISO3200・50秒・2024年12月24日20時40分

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