月面 アペニン山脈
月面の撮影は、季節にあまり左右されないので、結構楽です。ただし、月が地球の周りを回っているので、一日ずれると、景観は変わっていきます。月は、地球から見て一日およそ12度程移動するので、月を照らす太陽光線もその割合で変化します。月は、星々の海を西から東へ移動しているので、何時間も眺めていると、月の後ろに見えていた星が月に隠されていくのが分かります。それは、宇宙が生きている、と感じる一瞬です。
月面撮影は、月の夜明け過ぎの頃、あるいは日没前の頃がいちばん見ごたえがあります。クレーターも山脈も山の影が黒く沈んで、立体的に見えるからです。影の形や長さもいろいろで、見飽きない眺めです。地表が見えるのは月だけで、大気がないので地形がとてもくっきりと見えます。月があってよかった……と月を眺める度に感じます。
写真は、月齢8.1の月面です。中央がアペニン山脈と呼ばれている、全長600㎞ほどの山脈です。雨の海の南東側にあって、月面でもいちばん目立つ山脈のようです。イタリアを縦断するアペニン山脈から名前が付けられました。イタリアのそれは高い所で3000mほどですが、月面のそれは高さ5000m以上の山々が連なっています。アペニン山脈の西側の海の中には、たくさんの谷が走っていて、とても複雑な地形が続いています。雨の海には、アリスティルスやアルキメデスなどの大きなクレーターがあって、素晴らしい眺めです。写真には写っていませんが、北側にはコーカサス山脈やアルプス山脈が続いています。晴れの海から雨の海まで、特徴ある山脈やクレーターがあり、月面でも、いちばん変化のある地域です。撮影には最適な場所のようで、個人的には撮影頻度がいちばんの地域になっています。
来週、新月を迎えた後、月の撮影時期がきます。機会があれば、いろいろな場所を撮影する予定です。いつものことながら、天気だけが気になります。という訳で、綾鷹茶で、一休みします、で~す。
データ/ビクセンSX2・C8シュミカセ・ASI183MC・ゲイン80・17ms・2022年12月31日20時頃
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