2023年3月23日 (木)

いっかくじゅう座のバラ星雲

Blog_20230323130001  季節はもうすっかり春なんですが、まだまだ冬の星々も健在です。この冬の最後が、どういう訳かいっかくじゅう座のバラ星雲になりました。冬のダイヤモンドも、西空に傾いていますが、とても良い眺めです。そのダイヤモンドの中央あたりに、このバラ星雲はあります。

 この3月で、ブログ開設丸8年になります。最初は、何をどう撮影したらいいのか分かりませんでした。季節の星座を撮影したり、撮りやすい星雲星団を探しながら、いろいろ苦労した記憶があります。その中でも、肉眼で見えるスバルやオリオン星雲M42、いて座の球状星団M22などを撮影していたようです。その内、天文書や星ブログをいろいろ参考にして、このバラ星雲なども被写体になったような、そんな思い出があります。

 写真が、バラ星雲の全景です。もう昔のことですが、最初の撮影画像の〈宇宙に咲くバラの花〉は、とても感動モノでした。とても不思議で……宇宙の神秘……そのものでした。花の中央には、この濃厚な星雲ガスから生まれた散開星団の星々も見えています。まるで、バラの花のめしべのように見えます。

 このバラ星雲は、地球からの距離が5500光年程で、天の川銀河の中で考えれば、結構……近所という感じでしょうか……。満月の2倍ほどの大きさなので、小さな口径の望遠鏡でもくっきりした姿の画像になります。赤い輝きが肉眼ではほとんど見えないのが、とても残念ですね。

 今日も、曇り時々雨の一日です。菜種梅雨と呼ばれている、少々ジメジメの天気です。薩摩・大隅地方では、今が田植えの季節なので、有難い雨になっています。3月に植えて、7月の下旬から収穫します。薩摩のお米も、なかなか美味しいお米です。昔食べた岡山平野のお米より美味しいのでは、という感想です。

 という訳で、晴れた星空をのんびり待つことにして……コーヒータイムで~す。

データ/ビクセンSX2・ビクセンED70SS・EOS60D(改造)・ISO3200・等倍マルチフラットナー・90秒(?)・QBPフィルター使用・2023年2月15日20時20分

 

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2023年3月16日 (木)

月面 湿りの海とガッサンディクレーター

Blog_20230316190101  写真は、月面のガッサンディ・クレーターとその南側の湿りの海周辺です。月齢11.7の月面で、撮影時刻の20時前には、高度45度ほどは昇っていたのでは、と思います。高度としてはちょうどいいのですが、月面の90%近く、輝くばかりの明るい月面でした。地表の濃淡が少ないので、撮影対象を探すのに苦労します。

 左方向が北の方向です。月面の中央を基準にすると、左隅の少し下の領域でしょうか……。この周辺で目立つのは、湿りの海です。直径500㎞ほどの大きさで、九州がぎりぎり入る感じです。この湿りの海は、40億年ほど前の巨大衝突によってできた溶岩の海のようです。海の周辺にはクレーターが多いのですが、風化したのか、溶岩に埋もれたのか、劣化したクレーターが目立ちます。

 その中にあって、北側の直径100㎞ほどのガッサンディ・クレーターは、ほとんど形を留めていて、少しは新しいクレーターのように見えます。クレーター内部には、高い岩山や複雑な谷が見えています。詳しく見るためには、この周辺が夜明けを迎える頃、アイピースを使って、100倍から150倍ほどで眺めた方がいいのでしょう。双眼装置を使えば、さらに立体的に見えるはずです……また機会があればやってみます。ちなみに、ガッサンディというのは、17世紀のフランスの物理学者・数学者・哲学者であるピエール・ガッサンディという人だそうです。初めて知りました。

 月面クレーターの名称は、北に行くほど古い時代の哲学者や科学者の名前が付けられています。クレーターの名前は、17世紀の中頃、イタリアのボローニャ大学の天文学者リチオリとその弟子のグルマルディによって、300個近くのクレーターに名前が付けられたそうです。その月面図は、科学本としては発行部数が多かったので、修正されながらも、現在もクレーター名として使われているようです。リチオリとグルマルディの名前のクレーターもあります……さすがですね……。という訳で、その後に活躍した科学者、例えばニュートンやアインシュタインの名前のクレーターは、ほとんど見えないようなところにあるそうです……なるほど。

 という訳で、今夜は、ドンヨリドンヨリの曇り空なので、のんびりとDHCのビールで乾杯で~す。

データ/ビクセンSX2・セレストロンC8・ASI 183MC・ゲイン130・13ms・2022年11月6日19時50分

 

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2023年3月 9日 (木)

ふたご座

Blog_20230309190001  写真は、ふたご座の全景です。星座写真は、ある程度以上星空が見えないと、撮れません。雲がたくさん流れているようなときは、とても無理な感じです。そんな訳で、星座写真を撮るのもなかなか大変だな、ということが最近よく分かりました。10年程前は、晴れた夜がとても多かったのですが、この5、6年は雲がとても多いので、星座写真を撮るチャンスも減ったような気がします。

 ふたご座は、冬の星座の中で、いちばん東側にあるのでしょうか……昇ってくるのがとても遅い冬の星座です。3月の中旬の夜8時頃、やっと天頂付近に昇ってきます。天頂付近というよりはほとんど真上という感じで、立ったままジーっと眺めることはとても出来ません……ですね。

 ふたご座は、黄道十二星座のひとつで、さらにトレミーの48星座の中のひとつです。二つの同じような明るさの星がくっついているので、古代から兄弟星とか、双子星なんていう名前で呼ばれていたそうです。1等星は、β星のポルックスです。左の写真でも、α星のカストルの方が少しだけ暗いように見えます。二人の身体をつくっている星々も上手いこと適当に並んでいるし、なかなかいい感じの星座線です。

 西側のカストルの足元には、散開星団M35が見えます。満月ほどの大きさなので、くっきり晴れた夜にはぼんやりと見えるような気がします。そして、双子の足元には、冬の天の川が流れていて、かすかにその流れを見ることが出来ます。このふたご座から西空は、明るい冬の星が集まっていて、なかなかの眺めです。ちょうど今頃なら、西に傾き始めた冬のダイヤモンドが一番の見頃です。

 薩摩半島は、雨が止みましたが、雲が厚くドンヨリです。明日は朝から晴れの予報ですが……どんな天気か分かりません……です。という訳で、今夜は、プレゼントされたDHCのビールで乾杯します~です。

データ/ケンコースカイメモS・シグマ35ミリF1.4・EOSKissX8i・ISO1600・f4・40秒・ソフトフィルター使用・2023年2月21日20時20分

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2023年3月 2日 (木)

オリオン星雲M42から三ツ星

Blog_20230302131101  3月に入ったのですが、まだまだヒンヤリで、本格的な春という感じではありません。夜は夜で、風が吹くと、手袋が必要です。薩摩半島では、先週からウグイスが鳴き始めています。3月中旬には、南からツバメが飛んでくるのでしょう……多分。このブログも、もう少し冬の星空でいきます。

 写真は、オリオン座のオリオン星雲M42から三ツ星あたりの眺めです。オリオン星雲の中心部は、とても明るいので、白トビしています。肉眼でもはっきり見えるほどくっきりです。2等級に近い明るさなのかも、です。オリオン星雲は、3月上旬の今頃、日没後の暗くなりかけた夜7時過ぎに、南のやや高い空で、子午線を越え始めています。西空に傾き始めると、冬も終わるのかな……という想いです。

 オリオン星雲の北には、ちょうど狩人オリオンの腰のベルトあたりですが、2等星が3つきれいに並んでいます。この三ツ星は、ほとんど等間隔的な並びで、とても目立つ眺めです。古代からとても有名だったそうです。いちばん東側のζ(ゼータ)星の周辺は、濃い星間ガスが集まっていて、後方の光を受けて赤く輝いています。この周辺は、広大な散光星雲で有名な領域です。

 冬の星空は、1等星がとても多くて賑やかですが、さらに散光星雲もあちこちで輝いていて(肉眼ではほとんど見えないのがとても残念ですが……)、一層賑やかな星空になっています。冬の天の川も、オリオン座の近くを流れていて、話題に尽きない素晴らしい眺めです。この天の川は、南十字星やケンタウルス座の方向に向かって流れています。……南天の天の川を見てみたいですね……。

 ところで、今日は晴れの天気ですが、PM2.5なのか花粉なのか分かりませんが、空がややぼんやりとしています。星見には、最適な空とは言えません。おまけに、月明かりなので、星空はイマイチです。そんな訳で、今夜は、画像処理をする予定です。という訳で、コーヒーブレイクで~す。

データ/ケンコースカイメモS・100ミリ2.8マクロ・EOS60D(改造) ・QBPフィルター使用・ISO1600・120秒・2023年1月10日21時20分

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2023年2月23日 (木)

オリオン星雲M42

M42blog_20230223185201  写真は、オリオン座にある散光星雲M42です。オリオン星雲とか、〈大〉を付けてオリオン大星雲とか言われている巨大な星雲です。太陽系にいちばん近い散光星雲です。地球からの距離が1300光年程の近さで、直径も20 光年程あるので、肉眼で見えるのも当然かも、です。

 オリオン座は、2月の上旬の、節分・立春の頃の夜9時ごろに、南中します。オリオン座自体が目立つ星座で、その中にある2等星の三ツ星のすぐ南にある小三つ星の中央あたりが、この散光星雲のようです。赤い光は肉眼では見えませんが、中央の白トビした部分は明るく、肉眼でもはっきり見えています。冬になると、晴れた日には、毎回見ているような気がします。

 初心者には、とても有難い星雲です。肉眼で見える星雲・星団はとても少ないので、大変貴重な存在です。星見を初めて、最初に撮影するのが、このオリオン星雲M42や散開星団すばる、春の散開星団プレセペ、夏の干潟星雲M8や球状星団M22、秋はアンドロメダ銀河などです。肉眼で光も場所も確認できるので、最初の被写体でした。もう十年ほど前ですが、ワクワクしながら撮影した思い出があります。

 星雲・星団は、撮影するたびに、毎回何となく違う雰囲気になっています。大気の状態に影響されるような感じです。左の写真も、もう少し淡い光が広がっていたような気がしますが、撮影後の画像処理の違いかも……です。

 今夜は曇り空で、時々弱い雨が降っています。来週には少しは晴れそうなので、時間があればオリオン星雲を、CMOSカメラで撮影してみます。ただ、来週は月明かりの影響があって、少々無理かも……です。東の空には、かに座やしし座、うみへび座が昇ってきました。星空は、もう春になりかけています。

 という訳で、一休みで~す。と言っても、今夜はまだすることがありまして……。中古でSX用の極軸望遠鏡を手に入れました。ビクセンのAP赤道儀に使う予定なのですが、照明装置がありません。何とかガラクタを利用して作る必要があります……どうしても……です。

データ/ビクセンSX2・ES102ED・EOS60D(改造)・笠井等倍フラットナー・QBPフィルター使用・ISO1600・90秒・2022年12月27日21時40分

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2023年2月16日 (木)

ズィーティーエフ(ZTF)彗星

Ztfblog  やっと、ズィーティーエフ(ZTF)彗星を撮影しました。写真中央のぼんやりした輝きが彗星です。おうし座の1等星アルデバランに近づいています。2月14日、日が暮れて、撮影の準備をしていたのですが、なかなか雲が切れないので、1時間程待ちました。おうし座に薄い雲がかかる中、彗星のおよその位置を確認して、構図を決めて、さらに待つこと30分……晴れるのかなあ……なんて思いながら……。やがて、アルデバランがくっきり見え始めたので、液晶モニターを眺めながら微調整。そして、最初のシャッター……。

 一コマ目に、彗星らしきぼんやりとした輝き、僅かに北東方向に延びた彗星の尾も見えていました。一人で歓喜と歓声……。彗星の撮影は、これで3度目です。2015年3月のラブジョイ彗星、2020年7月のネオワイズ彗星、そしてこのズィーティーエフ(ZTF)彗星です。2020年のネオワイズ彗星は、とても明るかったので、肉眼でもくっきり見えました。

 まあ、ズィーティーエフ(ZTF)彗星を撮影できただけでも幸運です。近日点をとっくに過ぎていて、地球への最接近も終わって、やや暗くなっていますが、まだまだ6.5等級ほどの明るさでしょうか……。尾も少しは短くなっているのでしょうが、何とか彗星の姿をしています。

 撮影画像を確認すると、彗星の位置(核とコア)が少しずつ移動しているのが分かります。すごいスピードで動いているのですね。後で、何コマか合成するのですが、5コマが限界のようです。時間にして3分から4分ほどです。

 この彗星は、惑星の影響を受けて、軌道が双曲線軌道に変化しているそうで、もう二度と太陽系には近づかないそうです。不思議な世界ですね……この宇宙は……。

 ところで、写真左上隅に、散開星団NGC1647も写っています。アルデバランの周辺には、ヒヤデス星団の星々も見えています。なかなか良い眺めです。ほとんど天頂付近なので、双眼鏡で眺めるのは諦めました。6、7倍の双眼鏡で、彗星が見えたかどうかは分かりません。

 という訳で、今夜も晴天のようで、3日続けて星見日和です。まだまだひんやりとした外気ですが、今日の星見と撮影の準備をしておきます。

データ/ケンコースカイメモS・ボーグ55FL・EOSKissX8i・ISO1600・40秒・5コマ合成・2023年2月14日20時56分

 

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2023年2月 9日 (木)

オリオン座エンゼルフィッシュ星雲

Blog_20230209125501  今年最初に撮影した画像です。正月が明けても曇り空ばかりで、星空もなかなか見えませんでした。やっと少しだけですが、晴れたのが、この日1月10日でした。この5,6年でしょうか、水蒸気が多くて、すっきりした青空がどんどん減ってきたように思います。これから先10年、20年経ったとき、大気汚染も手伝って、大気の状態が悪い方に変わってしまうのが、少々心配です。

 写真は、オリオン座の散光星雲エンゼルフィッシュ星雲です。金魚のエンゼルフィッシュそのままの形に見える……そんなところから付けられた名前です。背びれも見えるし、眼も付いています。正式なカタログナンバーは、NGC7822です。

 狩人オリオンの頭付近ですが、1等星ペテルギウスと2等星ベラトリックスが写真の下部分に見えているので、エンゼルフィッシュ星雲の大きさが想像できるのでは、と思います。この姿が肉眼で見えたなら、すごい迫力でしょうが、赤い輝きは肉眼では見ることが出来ないのがとても残念です。

 オリオン座の周辺には、散光星雲があちこちにあります。オリオン星雲やバーナードループ、バラ星雲やカモメ星雲など、撮影対象がたくさんあって、撮り始めたら、寒さも忘れるほど忙しい時間になる、かもです。冬のダイヤモンドの六角形とその中を流れる冬の天の川が見えたら、それこそ至福のひと時になるのでしょう……。

 まだまだ冬の真っ盛りなのですが、南風が吹くと、薩摩半島は春遠からじ……という感じです。という訳で、コーヒーブレイクで~す。

追伸 昨夜は、晴れたらズィーティーエフ(ZTF)彗星を撮影しようと思っていたのですが、PM2.5と薄雲のため中止しました。彗星はどんどん地球から遠ざかっているので、撮影は少々無理な感じで~す……残念。

データ/ケンコースカイメモS・100ミリF2.8マクロ・EOS60D(改造)・QBPフィルター使用・ISO1600・f3.2・100秒・2023年1月10日20時40分

 

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2023年2月 2日 (木)

月齢12.2のコペルニクスクレーター

New110blog  写真中央の大きなクレーターが、月面のコペルニクスクレーターです。月面のクレーターはたくさんあるのですが、コペルニクスが一番目立つのでは、と思います。というのも、やや暗い海と呼ばれている平原の中でくっきりとしていて、双眼鏡でもはっきりと見えるからです。

 写真左方向が北の方向です。月の直径が3500㎞ほどなので、写真の左右(南北)の長さは、1200㎞ほどかな、と思います。ということは、日本列島で例えると、九州南部から東北の福島県や新潟県までが、対角線方向に入るということです。そう考えると、コペルニクスクレーターの大きいこと大きいこと……途方もなく巨大です。コペルニクスクレーターの直径がおよそ93㎞なので、この中に東京都と神奈川県がほとんど入ってしまいそうな、そんな感じがします。眺めた時の印象と実際の大きさには、雲泥の差があって、想像するのがとても難しいかも、です。

 おまけに、クレーターの深さは3700mほどで、これまた想像も出来ません。クレーターの周囲には、光条と呼ばれる明るい筋状のものが見えます。外部物質による衝突でできた痕跡です。このクレーターは8億年ほど前に形成されたそうですね。大きなクレーターの場合は、まき散らした光条物質が多いので、10億年以上も変化しないそうです。時間の長さも、普通ではないので、これまた想像すら出来ません。

 ところで、CMOSカメラで月面を撮影していますが、以前に比べて、少しは拡大できているような気がします。メインの望遠鏡が8インチのシュミカセなので、限界があります。CMOSカメラで拡大して、さらに解像度を少し落としてひと回りUPしています。これ以上拡大するには、バローレンズを使うしか手がないのですが……難しそうで、なかなか先へ進めません。問題は、ピント合わせです。大気の状態が良い時は楽なのですが、月面がゆらゆらしているときは、ピント合わせが不可能な気がします。2.5倍のパワーメイトを使う機会が、まだ一度もありません。

 という訳で、焦点距離5200ミリ~8000ミリ程度で、もう少し続けてみます。今夜は月齢11.6の明るい月が、天高く昇っています。しかし、よく見るとぼんやりと霞んでいるようです。PM2.5の影響なんでしょうか……多分……ここで小休止で~す。

データ/ビクセンSX2・セレストロン8インチシュミカセ・ASI183MC・ゲイン130・8ms・110コマ合成・2022年9月8日21時30分

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2023年1月26日 (木)

うさぎ座

Blog_20230126191101  今年2023年は、うさぎ年です。うさぎ座は何年か前に撮影したことがありますが、もうすっかり忘れていました。先週の土曜日、久し振りに星空だったので、うさぎ座を撮影しました。オリオン座のすぐ南側にある、小さな可愛い星座です。と言ってもトレミーの48星座のひとつで、紀元前500年ほど前から知られていた、結構有名な星座だそうです。

 トレミーの48星座には、動物の星座が多く、48星座の半分ぐらいは動物かな、という感じです。おおぐま座やおおいぬ座、わし座などはとても有名ですが、このうさぎ座はそれほど有名ではありません。写真が、うさぎ座の全景です。3等星と4等星以下の集まりで、こじんまりした星座です。写真の右上の二等辺三角形が、うさぎの耳になっています。星座線の引き方は、天文書によっていろいろあるのですが、この星座線がいちばんウサギに見えるのかな、という印象です。

 ギリシャ神話には、うさぎの話はなかったのではと思いますが、北隣り東隣りには、狩人オリオンと飛び上がっている大犬がいるので、兎がいればちょうどいいのかも知れません。まあ、個人的な推測ですが……。それにしても、兎に見えるから不思議です。なかなか上手く、線で結んだものですね……さすがです。

 ところで、このうさぎ座には、M79というメシエ天体の球状星団があります。冬の星座の中では、ただひとつの球状星団だそうです。うさぎの前足の下(南側)らしいのですが、撮影に使ったのは、標準気味のレンズなので、球状星団らしき光は確認できません。このM79はとても小さな光のようで、望遠レンズが必要みたいです。また機会があれば、撮影してみます。

 一昨日から、寒風が吹き荒れていて、寒波襲来です。昨日の朝は、この薩摩半島の西側でも雪が積もっていました。積もったと言っても、積雪は1cm足らずですが、平年よりも気温が6、7度は低い感じです。昨夜21時の外気温は、摂氏1度でした。ここまで低温(薩摩半島の話ですが)だと、夜に外に出る勇気はありません。明日からも次の寒波が来るようで、寒さにほとんど慣れていない南国薩摩も珍しく大変です。

 今年はうさぎ年なので、何とかコロナも収まって、みんなが思い切り飛躍する年になって欲しいですね。そんな想いです。

 そういう訳で、雨が降る夜の闇をノンビリ眺めながら、小休止します、です。

データ/ケンコースカイメモS・OM-1MarkⅢ・ズイコー12~40ミリ・F2.8・ISO1600・35ミリ・f5・50秒・ソフトフィルター使用・2023年1月21日20時25分

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2023年1月19日 (木)

ぎょしゃ座の散光星雲

Blog_20230119125501  写真は、ぎょしゃ座の散光星雲IC405とIC410です。IC番号のついた天体です。天体カタログには、メシエカタログ(M)、NGCカタログ、IC カタログなどがありますが、このIC(Index Catalogue)カタログは、 NGC天体を補足するようにつくられたカタログだそうです。天体データや名称は、結構ややこしい所があって、あまり深入りしないようにしています。

 ぎょしゃ座の五角形の南端のあたりにある散光星雲です。結構大きくて明るいので、撮影は割と楽な感じです。写真左側がC410で、右側がC405です。IC405は、形に特徴があって、オタマジャクシ風のかたちです。勾玉(まがたま)にも似ているので、勾玉星雲という名前で呼ばれています。

 この散光星雲を探すには、二つの星雲の間にあるいくつかの4,5等星の星の集団を見つければ、探しやすいかも、です。この星の集団は、メロッテ31と呼ばれている規模の小さい散開星団です。この撮影の時は、ビクセンのAP赤道儀を使いました。自動導入がないので、等倍ファインダーで、星々を辿り、液晶画面を拡大しながらの捜索でした。自動導入よりも少し時間がかかりますが、とても楽しい作業です。

 地球から二つの散光星雲までの距離は、1500光年程だそうで、天の川銀河の大きさから考えると、とても近いという印象です。写真で見ると、何となく可愛い感じですが、でも実際は、超巨大な濃厚星雲ガスが広がっている広大な領域なんでしょうか……。宇宙の神秘さと怖さを感じてしまいます。

 ところで、最近は雲の多い天気が続いていて、撮影も大変です。晴れた日には、中型の赤道儀と小型の赤道儀2台を裏庭に出して、2か所で撮影したりしています。忙しいこと忙しいこと……。撮影・観察の機会を2倍に増やすやり方ですが、もうドタバタ・ドタバタです。重労働もいい所です。元気がないと、到底出来ません……ですね。

 という訳で、昼下がりのコーヒータイムです。今夜も晴れそうにはないですが。

 追伸、写真の左隅に、散開星団M36も写っています。偶然ですが……。

データ/ビクセンAP・ボーグ55FL・専用レデューサー・EOS60D(改造)・QuadBPフィルター使用・ISO1600・150秒・2022年12月15日20時50分

 

 

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